2021年7月12日、八千代市市民会館大ホールにて、国際平和作文コンクールの表彰式が行われました。同コンクールは平成元年度から八千代こども国際平和文化基金事業の一環として行っており、こども達が国際理解を深め世界に貢献できる国際人になってほしいという願いを込めて実施されています。今年度の応募人数は3860人で、入賞者は60人でした。受賞された南高津小学校の本田歩溜君(5年生)は、「今生きていることが当たり前ではない。というテーマで書きました。選ばれると思っていなくてびっくりしましたけど嬉しい。」と話してくれました。村上東中学校の時田葵生さん(2年生)は、「生活に困っている人にどうしてあげたらいいのかという事を書きました。入賞できて嬉しいです。」と話してくれました。
国際平和とは
通常,戦争の対概念であり,国家間の戦争が行われていない状態をいう。しかし今日では,非暴力的な方法による闘争という,より積極的な意味をも平和という言葉に含ませるようになっている。組織的暴力が行使されていない状態を平和とする考え方は,戦争とともに古くから存在した。たとえば,旧約聖書の『イザヤ書』2章2~4には,国家間に普遍的な平和を達成するために,一元的な国際組織の樹立を主張する構想の原形がみられる。 17世紀にはフランスの修道士 E.クルーセが,世界連合の形成と世界議会,世界法廷の創設による世界平和維持構想を発表,M.シュリーの『大計画』や C.サン=ピエールの『ヨーロッパ永久平和案』なども類似の構想である。しかし,J.-J.ルソーはこのような国際平和構想が当時の強国に有利な状況を固定化するか,破滅的な戦争を導くことを見抜いた。 I.カントも著書『永遠平和論』で,国家主権の性急な否定による国際平和の構想を危険とし,国家間の条約による平和連盟の創立を唱える一方,各国の人民が真に共和的な国家を形成すると同時に,他国民との普遍的な友好を通じて世界公民体制を打立てるべきことを主張した。第1次世界大戦の大きな惨禍を経験した人々は,国際連盟の成立とアメリカの W.ウィルソン大統領の理想主義に鼓吹されて,国際機構の設立や世界連邦政府の樹立によって国際平和を実現する運動を推進した。しかし,第2次世界大戦は制度的な手段のみによっては国際平和が実現されないことを示し,単なる武力行使に加えて政治的,経済的,社会的不平等の存在を許しておく不公正が平和の実現をはばみ,暴力や戦争につながることを示した。戦後次々に独立した新興国は南北間の大きな格差に妨げられ,十分な発展をとげられずにいるが,世界にそうした不平等,不公正が存在しているかぎり,真の国際平和は実現しないという認識が広まるとともに,核兵器の出現は,人々に全人類滅亡の危険を意識させ,国際平和に対する関心は一層大きなものとなった。